報告者:東京事務所 新石
今年4月に、ラムモンクァン中学校に駒場東邦中学校・高等学校の生徒・教師らが来校し、環境問題に関するグループワークを実施しました(駒場東邦中学校・高等学校のフエ来訪:ベトナム)。このグループワークを通して、日本の高校生たちがベトナムの中学生たちに「伝える」という積極的な活動を通じて、自分たちの学びが深まっていることを実感しました。この経験から、次はベトナムの中学生たちが、自分たちが学んだことを同じベトナムの小学生たちに伝える、という実践的な授業をすることにしました。
具体的には、中学生たちが7月にフーソン廃棄物発電プラントを訪問して廃棄物がどのように処理されて発電に利用されるかを学んだことを小学生たちに伝えることにしました(ごみと水の現場を訪問しよう!:ベトナム)。
まずはどんな授業をするか、9月に作戦会議を行なったのですが、中学生たちのアイデアは非常にユニークでした。ちなみに、この準備授業には、宇都宮大学から学生インターンの小野澤彩乃さんも参加して議論を盛り上げてくれました。そもそもアイデアの決め方がおもしろかったです。4つのグループに分かれて、グループごとに小学生たちにプレゼンテーションするアイデアを相談し、それをみんなの前で発表して、どのグループのアイデアを採用するかを投票で決めました。
そんな議論から採用されたのはクイズゲームの活用です。ふつうのクイズにとどまりません。おどろいのは、子どもたちが手にとってイメージできるよう、発電プラントのペーパモデルを作るというのです! ほんとうにできるのか?と心配しましたが、たいへん失礼しました。すばらしいクオリティのモデルができました(今度、東京でやる報告会で見せる予定です)。子どもたちのアイデアと創造性には大変驚かされました。
以下、順に見てみましょう。
(グループにわかれてアイディア出し)
(ブレインストーミングの後グループの代表者がそれぞれのグループのアイデアを発表して投票を行い、一番いいアイデアを決定)
そして、いよいよ本番! 10月23日に、ラムモンクァン中学校の生徒5人が代表してトゥイスアン小学校を訪問して「学んだことを小学生に伝えよう(実践編)」を実施しました。
先生が授業のテーマを紹介した後、中学生たちが自己紹介しました(自作の発電プラントのペーパモデルが見えます)。
中学生が小学生たちに発電プラントの概要について説明しました。
中学生がバスのアニメを使ったクイズゲームをしました(これもすごい!)
小学生たちはゲームのクイズに答えて盛り上がりました。ちょっと盛り上がりすぎかな? 笑
小学生は、中学生メンバーが用意した発電プラントのモデルを組み立てました。
生徒たちの感想です。
▼ラムモンクァン中学校の生徒たち▼
「かわいくて熱心な小学生たちに会えたので、とても嬉しくてワクワクしました。この交流セッションでは、彼らに教えたり、知識を共有したりできました。このような交流セッションをもっと開催したいです。」
「授業の感想はとてもよかったです。全員が積極的に参加しました。廃棄物を電気に変えるプロセスの説明は彼らには少しわかりにくかったかもしれませんが、セッションはかなりうまくいき楽しかったです。小学生たちはとてもかわいいです。」
「かわいい小学生たちと出会い、発電プラントを訪れた経験を共有することができました。一緒に同行してくれたBAJチームに感謝します。BAJのスポンサーの皆さん、いつも私たちをサポートし、楽しい学習体験を提供してくれていることに感謝します。」
「交流セッションはとても楽しく、有意義だったと思います。発電所について私が知っていることを小学生たちと共有し、楽しい体験を提供することができました。」
▼トゥイスアン小学校の児童たち▼
「今日はとても楽しくて楽しい時間を過ごしました!中学生の皆さんに会えてよかったです。皆さんは発電プラントをとても楽しく紹介してくれました。フエにこんなに近代的で便利な発電所があるとは知りませんでした。今日のような交流がもっとできればと思います。」
「今日の授業は本当に楽しくて役に立ちました。中学生の皆さんからグリーン電力を作る廃棄物発電プラントについて教えてもらいました。ゲームも楽しかったです。特に模型作りの部分に感動しました。他の学校との交流イベントをもっと開催できたらと思います。」
「今日はこの授業に参加できてとても嬉しかったです。廃棄物から電気がどのように作られるかについて学びました。中学生の皆さんはとてもフレンドリーで親しみやすいです。学びと交流の機会を与えてくれたBAJに感謝します。」
「今日の授業はとても面白かったです。この交流の後、発電プラントを訪れて、廃棄物がどのように電気に変換されるのか直接見たいと思いました。中学生の皆さんは授業以外でも親しみやすく、魅力的でした。また皆さんにお会いできることを願っています。」
4月の駒場東邦中学高校とのグループワークにインスピレーションを得て、今回ははじめて「中学生が小学生に教える」「学んだことを誰かに伝える」という活動を実施しました。うまくいくかは子どもたち次第! リスクは当然あるわけですが、フタを開けてみれば、子どもたちの潜在能力がとんでもなく発揮された授業になりました。毎回このスタイルをやることは難しいですが、定期的に行っていき、より魅力的な環境教育の活動を創っていきたいと思います。
このような活動が実現できたこと、ご支援をいただいた皆さまに厚く感謝申し上げます。
●この活動は、りそなアジア・オセアニア財団、経団連自然保護基金、輝けアジアの子ども基金 のご支援や皆さまからのご寄付によって行われています。
現在、BAJでは輝けアジアの子ども基金サポーターを募集中です。
年に一度、子どもたちから手紙や工作が届きます。オンライン授業参観も計画中!
ぜひこの機会に入会をご検討くださいませ。
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