報告者:東京事務所 新石
BAJはフエにて零細農家の支援と地元の農業を盛り上げるために、直売所を運営しています。
しかし、いろいろな施策を展開していくはずが、コロナの影響を受けて、最近は活動範囲が限定的になっていたことが課題でした。今年の夏、中断してしまった活動のなかでも、とくに地元の消費者の方たちのニーズが高かった生産者訪問イベントについて、ついに再始動させることができました。
本来であれば、消費者と生産者の交流やお客様の声を聞く貴重なヒアリングの機会として定期的に開催するはずでしたが、いつのまにか止まってしまいました。反省しております。こうした、農家の畑を消費者の方たちと訪れるイベントは、消費者の方たちや親子に学びの時間と場所を提供する役割もあります。「生産者訪問イベント」という名前もステキですが、今後は「Farm Study Tour」と名前を変えていこうと考えています。
さておき、本記事では、少しタイムリーではないのですが、5月に約5年ぶりに再始動したベトナムの地元消費者向けの「Farm Study Tour」についてあらためてご紹介します。
今回、お申込みは12人でした。当日は2人減って、7人の大人たち、2人の子どもたちの合計9名が参加してくださいました。
訪問先は、トゥイスワン地区の農家HoaさんとTapさんの畑です。
直売所に集合し、皆でTapさん宅へ向かいます。
Tapさん宅にてあらためて有機農業や直売所の役割を説明しました。
さて、いよいよ畑を訪ねて収穫体験です。
たくさん採れて大満足の参加者の写真。たのしんでくれたようでホッとしました。
上述したように、このイベントは、親子で食育を学ぶ場にもなっています。子どもたちが参加してくれたことがとても嬉しかったです。
さいごに感想を書いていただきました。
このようなイベントがベトナムの消費者の方たちにも強く求められていることが分かって自信がつきました。
一部、参加者の言葉をご紹介します。
「野菜と果物の農場を体験できて楽しかったです。とても気に入ったので、またこのような場所を訪れてみたいです」
「農家が有機野菜を育て、その収穫の機会に参加して見学することは素晴らしい経験でした」
「訪問イベントは良いモデルです。農家の発展のためにさらに取り組むべきでしょう」
「直売所で売られている野菜がどこで生産されているのか詳しく知ることができてとてもうれしかったです」
こうした「Farm Study Tour」は、消費者教育の一環だけではなく、次世代へ地元の農業の価値を伝えて継承していく役割もあると感じています。今後の具体的な課題としては、マネタイズです。いつまでもBAJからの補助なしで成り立たないようでは、元から持続可能なビジネスモデルとは言えず、直売所だけのチカラで、こうしたイベントも含めて収益を得ていく工夫が必要です。
ニーズはあります。あとはどれだけ素晴らしいプログラムを提供できるか、それを継続できるかです。そして、こうしたイベント以外にも様々な活動を展開していかなければいけません。
小規模農業が都市の発展とともに生き残っていくために、私たちが訴えていく価値を、受け入れてくれる土壌はあると感じています。日本の先進的な事例などを学びながら、チャレンジを続けていきたいと思います。
●この活動は、直売所の売上と皆さまのご寄付によって支えられています。
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