報告者:フエ事務所 Cam
7月に実施された環境教育活動の報告です。夏休みの課外活動として、フエの中学校の生徒たちが、それぞれ異なる日程でフーソン廃棄物発電プラントとヴァンニエン浄水場を訪問しました。特にフーソン廃棄物発電プラントは、今年できたばかりの最新型施設であり、今回が子どもたちの社会科見学を初めて受け入れる訪問だったようで、とても光栄でした。
課外活動の背景には、環境に対する理解を深め、持続可能な社会の実現に向けた意識を高めることがありますが、それ以上に、実際の現場を訪問することで、学んだ知識をより立体的に考えられるようにしたいという思いがありました。とくに廃棄物と水という日常生活に密接に関わるテーマについて学ぶことで、環境問題を自分ごととして捉えられるようになること(知識が身につくこと)が目的でした。
フーソン廃棄物発電プラントの訪問では、廃棄物がどのように処理され、発電に利用されるかを学び、ヴァンニエン浄水場では、水がどのように処理され、私たちの家庭に届けられるかを知る機会になりました。
フーソン廃棄物発電プラントの見学では、生徒たちはゴミの収集、焼却、発電のプロセスについて学び、施設内を案内されました。見学中、生徒たちは積極的に質問をし、スタッフから詳細な説明を受けました。また、焼却炉、発電機、廃水処理施設など、さまざまな設備を見学し、実際の廃棄物処理の現場を体験しました。ヴァンニエン浄水場の訪問では、浄水のプロセスや使用される技術について学び、浄水器やフィルタリングシステムの仕組みを見学しました。生徒たちは、施設スタッフの案内で沈殿槽や逆濾過槽、活性炭濾過槽などを見学し、水がどのようにきれいにされるかを実際に目で見て体感することができました。
(写真上:出発進行!)
参加した生徒たちからは、多くの前向きな感想が寄せられました。フーソン廃棄物発電プラントを訪問した生徒たちは、施設の規模と近代的な設備に感銘を受けたと話し、工場の清潔さや効率的な廃棄物処理プロセスについて驚きの声を上げました。例えば、Myさんは、「廃棄物処理の過程とその利点について学ぶことができて、とても有益な経験でした」という感想をくれました。一方、ヴァンニエン浄水場を訪れた生徒たちは、水がどのように浄化されるかを知り、水資源の重要性とその保護の必要性を強く感じたと話していました。Datさんは、「きれいな水がどのように作られているのかを知り、日常生活での水の使い方を見直すきっかけになりました」と語ってくれました。
見学に同行したフエのBAJスタッフからは、「生徒たちの真剣さと好奇心には本当に感心しました。彼らが投げかけた質問は非常に鋭く、廃棄物処理や水処理の複雑なプロセスに対する理解が深いことを示していました」という感想があがりました。
子どもたちがこのように実際の施設を見学し、リアルな体験を通じて学んでいくことはとても重要だと感じます。この見学で彼らが学んだことを家庭やコミュニティで共有し、環境意識の向上に役立ててくれることを期待しています。今回の見学を通して、生徒たちの中に芽生えた新たな意識が、今後の地域社会に良い影響を与えていくことを願っています。
今後の計画として、課外授業に参加した中学生たちは、学んだことをさらに深めるために、今回見学して理解したことを小学生たちに教えるという新しいチャレンジに取り組みます。これは初めての試みで、「教えることが最大の学びにつながる」という考えに基づいています(日本の高校生たちが4月にフエを訪問してくださって、自ら中学生たちに環境教育を行ってくれたことがインスピレーションになりました)。中学生たちは、自分たちが学んだ知識を他の子どもたちと共有することで、さらに理解を深め、知識を自分のものにしていく予定です。
最後に、今回の活動が成功したのは、皆さまのご支援のおかげです。生徒たちが環境について学び、考える機会を提供してくださった寄付者の皆さまに心から感謝いたします。今後も、より多くの生徒たちが環境について学び、行動する機会を増やしていけるよう、ご支援をお願いいたします。ありがとうございました。
●この活動は、りそなアジア・オセアニア財団、経団連自然保護基金、輝けアジアの子ども基金 のご支援や皆さまからのご寄付によって行われています。
現在、BAJでは輝けアジアの子ども基金サポーターを募集中です。
年に一度、子どもたちから手紙や工作が届きます。オンライン授業参観も計画中!
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