報告者:東京事務所 新石
はじめて駒場東邦中学校・高等学校の先生からスタディツアーの受入れのご相談があったのが2019年頃でした。そこからコロナがあって、今回ついに来訪が実現しました。事前学習や事前交流ではコロナ期間に培った経験が活きました。オンラインによる授業参観や交流授業などを通じて、駒場東邦の生徒の方たちの知的好奇心や新鮮な視点に何度もはっとさせられました。実際の来訪がとても楽しみでした。
(写真:昨年8月に実施した授業参観。「森のサバイバル術」というテーマを日本の高校生たちがオンラインで見学)
(写真:昨年9月の駒場東邦中学校・高等学校の文化祭にてBAJのベトナムの環境教育について展示をしてくださいました)
BAJの受入れは4月2日と3日の2日間でした。高校1年生、2年生、先生たち総勢41名が来てくださいました。一日目はラムモンクァン中学校にて気候変動、海洋プラスチック汚染、森林破壊など5つのテーマで12グループに分かれて、環境教育のグループワークを行ないました。駒場東邦の生徒の方たちが教材を事前に準備してくださいました。ベトナム側の生徒たちも発表を準備してプレゼンしました。ベトナム語、英語、日本語が入り乱れる空間で、試行錯誤しながらコミュニケーションしようとする日越の学生たちの奮闘に感銘を受けました。翻訳アプリやAIなど、スマートフォンが活躍していましたが、あるグループでは歌を歌って意思疎通を試みていました。音楽の原初的な姿を見た気がしました。
(写真:ラムモンクァン中学からも39人の生徒が参加しました。総勢80人近いグループワークは壮観でした)
二日目は直売所と零細農家訪問です。たいへんな暑さのなかにも関わらず、農家さんやBAJスタッフの話を集中して聞いてくださり、鋭い質問がいくつもありました。後日いただいたアンケート回答では、中学校での環境教育の感想よりも、フエの零細農家や直売所の今後のアイディアなどについて熱いコメントや意見がたくさん書いてあり、背中を押された気持ちがしました。
(写真:暑さのなかBAJ農家メンバーの畑を見学。収穫と農家へのインタビューもおこないました)
これからも駒場東邦の皆さまとの交流と議論を通じて、環境教育活動や農家支援に対する新たな視点やアイディアを得ながら、活動の質をもっと高めていきたいと思いました。
さいごにラムモンクァン中学校の生徒の感想を一部ご紹介します。
『私たちは「気候変動」がテーマのグループでした。駒場東邦の高校生たちが、すごろくゲームを用意してくれました。各プレイヤーが25℃のカートを与えられ、マスを進むごとに気温が上下します。そしてもっとも気温を低く抑えられた人が勝ちです。日本の学生たちはとても親切で教えるのが上手だと思いました。また授業が終わったあと一緒に昼食をとったときも、会話やふるまいや所作がとてもステキな印象を持ちました。駒場東邦の学生の皆さまの健康と成功を祈っています。またいつか会いたいです。』
(写真:歓迎の式典もありました。ラムモンクァン中学の校長先生が熱心に準備してくださいました)
これからも日本の学生たちやいろいろな方たちとの交流を通じて、ベトナムの子どもたちの環境教育活動の幅を広げていき、質を高めていければと思います。
●この活動は、りそなアジア・オセアニア財団、経団連自然保護基金、輝けアジアの子ども基金 のご支援や皆さまからのご寄付によって行われています。
現在、BAJでは輝けアジアの子ども基金サポーターを募集中です。
年に一度、子どもたちから手紙や工作が届きます。オンライン授業参観も計画中!
Copyright(C)2024 BRIDGE ASIA JAPAN. All Rights Reserved.