報告者:フエ事務所Cam、Nhu
1/17、1/25、フエのトゥイスアン小学校とファムクァンアイ中学校にて、海洋プラスチックごみの環境教育授業をおこないました。
海中のプラスチックごみは、海洋生物や人間にとって深刻な脅威です。わたしたちはプラスチックごみの影響をよく認識し、対策を講じる必要があります。
そこで、子どもたちに海中のプラスチック廃棄物の現状と、それが特に海の動物たちにもたらす有害な影響を知ってもらい、海の環境を守る意識を持ってもらいたいと思って、今回の授業を実施しました。
しかし、座学だけでは退屈してしまいます。記憶にも残りにくいです。そこで、授業のさいごに体を使ったゲームを用意しました。環境への意識向上だけでなく、チームワークの練習にもなるゲームです。
授業内容は4つのパートにわかれます。
1)海洋プラスチックごみの現状
2)海洋プラスチックごみ汚染の原因
3)海洋プラスチックごみが生物に与える悪影響
4)ゲーム「海洋生物の救出」
海洋プラスチックごみの現状
現在、世界では83億トンのプラスチックが生産され、そのうち63億トンがプラスチック廃棄物とされます。米国海洋保護団体の統計によると、毎年、世界中で約800万トンのプラスチックが海洋に排出されています。
また、ベトナムでは、資源環境省の最新の統計によると、毎年、海洋に排出されるプラスチックごみの量は0.28トン~0.73トンで、ベトナムは世界の海洋プラスチックごみの量で4位にランクされている国になっています。
海のプラスチックゴミ汚染の原因は、次のようなものがあります。
・排水路に捨てられたゴミが川や海に流出。
・観光客が、浜辺近くで飲食をしたりする際に出るゴミ。
・漁業活動から出る壊れた網や漁具などのゴミ。
・暴風雨や津波によって廃棄物が海へ流出。
また、プラスチック廃棄物が海洋生物に及ぼす有害な影響は以下があります。
a. 生物の餌吸収能力を低下させる
b. 体内の内分泌系とホルモン調節への影響
c. 食べ物を通して生物に病気や死をもたらす
d. プラスチックごみに巻き込まれたり、はさまれたりした海洋生物の死を引き起こす
e. 生物多様性の破壊または減少
さて、座学はここまでです。どうしたらいいか解決がむずかしいことでも、元気がなければ何もできません。運動の時間です!
後半は「海洋生物の救出」(BAJベトナム考案)というゲームをおこないました。
生徒2名が1組となり、10組が一直線に並び、各ペアの生徒は左右の足を結び、ジグザグに動いてペットボトルの障害物を乗り越え、海洋生物を救助(魚を模したおもちゃを回収)しなければいけません。
ペアの生徒が障害物を乗り越え、海の生き物を救出することに成功したら、元の位置に戻り、次のペアの生徒が順番に、すべてのペアの生徒がいなくなるまで移動します。ゲーム中にボトルを倒してしまった生徒は、元の位置に戻らなければならず、生き物を救出する順番が回ってこなくなります。20分のゲーム時間中、最も多くの海洋生物を救出したチームの勝利です。
ゲーム後は「海を守ろう!」体操(こちらもBAJスタッフ考案)をみんなでやりました。
これもたいへん盛り上がりました。
子どもたちの感想です。
「今日の授業はとても楽しかったです。ポイ捨てが環境、特に海洋環境に与える悪影響について学びました。" 今日はアクティブゲームに参加して、漁網やビニール袋に引っかかった海の生き物を助けました。次の授業でも新しいことをたくさん学びたいです」
「今日の授業は、環境保護について学んだり、海に住む動物を救出するゲームがあったりして、とても楽しかったです。大気汚染についても勉強したいです」
「この授業を受けて、海や公共の場でゴミをポイ捨てしてはいけないことが分かりました。次回の授業では、たくさんのゲームがあることを期待しています。面白い授業をしてくれたBAJに感謝です」
座学だけはなく、ゲームのパートもおもしろく感じてくれたようです。
これからも、子どもたちの記憶に残るような環境教育の活動をつくっていきたいと思います。
サポーターの皆さまに感謝申し上げます。
●この活動は、輝けアジアの子ども基金 のご支援や皆さまからのご寄付によって行われています。
現在、BAJでは輝けアジアの子ども基金サポーターを募集中です。
年に一度、子どもたちから手紙や工作が届きます。オンライン授業参観も計画中!
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