報告者:東京事務所 新石
コロナパンデミックが長期化する中、これまでベトナムのフエで受入れていたスタディツアーも再開の目途が立っていません。2019年に学習院女子大学の学生さんがBAJが支援する農家さんを訪問しましたが(→こちら)、その翌年以降は新型コロナ感染のために中止を余儀なくされていました。
そんな中、BAJでは昨年からフエと日本をネットでつなぐオンライン・スタディツアーの実施を試みてきました。今回、旅行会社ピース・イン・ツアー(PIT)さんから改めてお誘いを受けて、2月26日、学習院女子大学の学生にオンライン・スタディツアーを開催することができました。
本記事では、本ツアーの様子をご報告します。
今回のオンライン・スタディツアーのタイトルは「BAJと行くベトナム・フエの農家訪問」で、当日は10名の学生が参加しました。BAJ側の東京事務所スタッフとフエ事務所スタッフに加えて、日本側はPIT小山さんに進行役を務めていただき、フエ側は日本語ツアーガイド・フーンさんが参加して盛り上げてくれました。農家さんは、今回もTuyetさん、Tapさんご夫妻がご協力くださいました。
写真左からフエ事務所のスタッフ(3名)、日本語ツアーガイド・フーンさん、農家のTuyetさん、Tapさんご夫妻
前半の1時間は、BAJ東京事務所からベトナムでの活動状況を説明し、そのあと現地とつないで農家さんのインタビューや、家の中、畑の様子などをカメラで紹介しました。
農家さんの家の中の紹介では、畑に設置しているバイオガスダイジェスターで発生させたメタンガスで台所のコンロに火をつけるところも見せていただきました。このバイオガスダイジェスターは、豚の糞尿を溜めてメタンガスを発生させるもので、フエの養豚農家さんが抱えていた豚の糞尿の悪臭問題の解決と農家さんの燃料費の削減による収入向上を目的に、これまでBAJが取り組んでいた活動のひとつです(→こちら)。
バイオガスダイジェスターのメタンガスでコンロに火がつく様子
そして、後半の1時間は、これまでおこなったオンラインツアーと同様に、2つのグループに分かれて、「野菜当てゲーム」で盛り上がりました。畑のいろいろな場所にヒントを書いた短冊を配置し、そのヒントから10種類の野菜や果物を当てるもので、前回、学習院女子大学の皆さんが現地に来てくれたときに初めて実施して、大変好評だったゲームです。
広い畑に置かれた短冊を懸命に探すフーンさんとベトナム事務所スタッフのNhuさん。今回も、途中で畑の野菜や果物の紹介をたくさんしてくれました。
ベトナムの野菜や果物は、日本でもおなじみのものもあればそうでないものもあり、なかなか難問でした。中には、日本のものとは形状が大きく異なるものもあります。ベトナムのキュウリはかなり太くて、日本のものとは大違いです。ある学生さんが自宅の冷蔵庫からキュウリを持ち出して来て、「これが日本のですけど…」と言いながら差し出すと、ベトナム側では「えっ!?」と驚きの声があがる一幕もありました。
学生が短冊に書かれたヒントから考えた答えの野菜や果物を収穫
最後に、学生の皆さん、PITの皆さん、フエ事務所のスタッフといっしょに、恒例となったベトナム語の「1、2、3」のかけ声で集合写真を撮りました。
当日は、PITさんの現地のスタッフが直前に新型コロナに感染して、急遽ピンチヒッターを起用したり、畑の中を行き来しなければならないのに当日は小雨が降ったりと、いくつか想定外の出来事も起きましたが、フエ事務所のスタッフは終始手際よく対応してくれて、成功裡に終わりました。
昨年から着実にオンライン・スタディツアーの経験を積んできました。今後もより多くの方たちに参加していただけたら嬉しいです。そして状況を見ながらですが、リアルなスタディツアーもぜひ企画していきたいと思います。
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