報告者:東京事務所 新石
BAJはフエ市で零細農家を対象に生計向上支援活動をおこなっています。2014年に農家メンバーたちとともにフエの町中に農畜産物直売所を開設し、2019年に「フエ日本式農家の店」という名前でリニューアルオープンして現在に至っています。
2020年からコロナの感染拡大により、さまざまな影響を受けてきましたが、現地スタッフたちの経営努力により、赤字にならずに運営できています。
ベトナムは旧正月があけ、新年を迎えました。本記事では、直売所の活動について2021年のふり返りと最近の活動状況をご報告します。
(6月頃にユニフォームを新調しました)
2021年も2020年と同様にコロナの状況によって、売上が変動しました。直売所は食料品に関わるため営業規制の対象にはならず、営業自体は継続できています。
地域では、コロナにより多くの企業やお店が廃業しました。一方で、食料品を取り扱う店は増加し、直売所の競合相手は増えました。
また、地域での感染が徐々に広がり始めると、お店に訪れるお客さんの数がどんどん減っていきました。フエ直売所では、状況に対応するべく、オンライン販売の開始、無料配送サービスの導入、販売商品の多様化、Facebookを活用した広報宣伝など、売上を伸ばすための努力を継続しました。
(最近のお店のレジのようす。飛沫防止のアクリル板を設置。現地スタッフが自作しました)
夏から秋にかけては、感染拡大の心理的影響から売上が乱高下しました。
主力商品の豚肉は11月からアフリカ豚熱が流行した影響で、仕入に苦労しました。農家メンバーの育てていた豚も多くが死んでしまいました。
(12月のオンライン・スタディ・ツアー時に訪れた農家メンバーの豚舎。頭数がとても減っていました)
BAJが直営する直営畑(トゥイビュウ畑)については月2回の頻度で現地スタッフから畑の栽培や収穫状況についてレポートが届いています。
一昨年の洪水被害から畑は回復して、1月には早くも収穫量が例年並みに戻りました。直売所のお客さんの要望に答えて新しい野菜(レタスなど)を育て始めました。
9月、管理人フン氏が地域のコロナ対策チームに入ることになったため後任者を募集することになりました。新たにタイ氏が管理者として従事しています。
タイ氏は学生時代に農業を学んでおり、畑の管理が丁寧だと現地スタッフから評判のようです。
(新しい管理人のタイ氏)
10月は例年の豪雨により、野菜(さつまいも、しそ、にんじん等)の収穫量に影響がありましたが、11月は無事に収穫。12月はパパイヤ、レタス、キャベツ、ニンジン、豆などを育てました。
(トゥイビュウ畑のようす)
ベトナムは今月初週、旧正月のお休みでした。フエは伝統的な文化が色濃く残る地域でもあります。毎年この時期には、直売所の安全や繁盛を祈願するささやかな儀式をおこないます。
(祈りをささげるフエ事務所所長。二階がBAJ事務所です)
コロナの影響はいまだ収まりませんが、フエの小さな農家の暮らしや文化の価値を人々のあいだで広めていき、地域の発展とともに持続可能なかたちで共にゆたかになれるよう、これからも活動を続けていきたいと職員一同思いを新たにしています。
ちなみに旧正月の時期は、直売所では特別な惣菜を用意しています。伝統的なちまきです。こちらは例年並みによく売れたそうです。
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