報告者:東京事務所 新石
こんにちは、事務局長の新石です。
BAJでは、昨年10月12日以降数回にわたる台風の襲来によって特にベトナム中部に生じた大きな浸水被害の支援を行うために、BAJの活動拠点であるフエ市に対する ベトナム・フエ市浸水被害緊急募金 を行なってきました。
3月13日に開催した総会後、「数十年に一度といわれた洪水被害-ベトナムフエ市緊急支援活動の現場報告-」と題したオンライン活動報告会を行ないました。ご寄付いただいた方たちに多く参加していただき、あらためてBAJの活動にエールをいただきました。誠にありがとうございました。
本記事では、これまでウェブサイトの活動報告では触れられていなかった緊急支援第二期の様子と、このたびの緊急支援活動完了について報告します。
1. 浸水被害緊急支援 第二期
昨年末から1月にかけて、第二期の追加支援実施のために9か村の調査を実施しました。
フォンディエン地区フォンミィ村、同じくフォントゥ村、ナムドン地区フォンスアン村、アーロイ地区ホンスオン村など、いずれもフエ市から30kmから90km離れた遠隔地の農村地域で合計115世帯に訪問してヒアリングを行ないました。
調査後、フエ市当局やBAJ内部で検討した結果、物資の支援よりも救援金のニーズが高いことが確認されました。
そこで、第一期に引き続き農家世帯に対して救援金の給付を実施することにしました。
ホーティサさん(フォンミー地区フクロイ村)
「同居家族が2人います。台風に襲われたとき父親を避難させていた息子が倒れたゴムの木にあたって骨折してしまい、いまも働くことができていない。屋根も壊れてしまったが自分たちで修理したところだ。救援金は息子の治療費に使いたい」
トゥランソンさん(クァンディエン地区クァンガン村)
「かつて鶏やアヒルを飼育していたが、2年前の洪水ですべて失った。今回は前回の経験を踏まえて家畜に大きな被害は出なかったが、屋根が壊れたため借金して修理した。救援金は流されてしまった鶏やアヒルの飼料の購入に使いたい」
2月2日から9日にかけて、各地域のコミュニティスペース等において合計172世帯に救援金の寄贈を行いました。これらの救援金は上記のケースの他に、多くが家屋の修理費用や家畜や野菜の種苗の購入等に活用されています。
一方で、第1期で救援金を受け取った農家たちは日常に復帰しつつあります。野菜の収穫も問題なく出来ており、BAJの直売所で販売することもできるようになりました。
アーロイ地区での救援金の給付
フォンスアン村での救援金の給付
フォンス―村での救援金の給付
クアンフー村での救援金の給付
2. 改めて御礼
BAJの浸水被害緊急支援活動は第二期をもって、いったん完了しました。今回の浸水被害を受けて、フエ事務所として初めて緊急支援活動を行ないました。
この活動をきっかけに災害時のネットワークや、これまで接点のなかった遠隔地の農家世帯とのネットワークをつくることができました。
今後もそうしたネットワークを維持し、また、子どもたちの教育現場を持つ団体として、防災教育活動にも力を入れていきたいと考えています。
フォンミィ村の救援金給付の様子。
会場に来られない遠隔地の世帯には、スタッフが改めて訪問して救援金を届けました。
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