報告者:東京事務所 新石
こんにちは、事務局長の新石です。
BAJでは、昨年10月12日以降数回にわたる台風の襲来によって特にベトナム中部に生じた大きな浸水被害の支援を行うために、BAJの活動拠点であるフエ市に対する ベトナム・フエ市浸水被害緊急募金 を行なってきました。
12月15日に、これまで実現した支援活動の最新報告として、トゥイスアン小学校で防災教育授業を実施したこと、外務局を通じた農家の支援活動を開始したことに加えて、今後の活動計画についてもお伝えしました。(→こちらから)
今回は、それ以降に行った支援活動として、以下の2つについて報告します。
1.これまで給付金を支援した農家の復旧状況のモニタリング
2.フエ市外務局を通じた農家支援拡大のための追加緊急調査
1. 農家の復旧状況のモニタリング
これまでに緊急救援金を配付した農家を訪問して、復旧状況を確認したり、現状の悩みなどについてもヒアリングしています。
植え直した野菜は順調に成長し、収穫した野菜もBAJの直売所に並ぶようになりました。また、浸水時に一時的に避難させていた豚や鶏も順調に育っています。
農家の皆さんは困難を乗り越えて、少しずつ日常生活と笑顔が戻ってきているようです。
オレンジの世話をしている、トゥエットさんのご主人のタップさんです!
豚に餌をやっています。この豚は、ベトナムの旧正月に合わせて販売されました!
新生の子豚です!!子豚は農家の将来とっての大きな資産です!
サヤインゲンです!天候のために2回植えることができませんでしたが、今回はよく育ちました!!
キュウリも順調に育っています!!
2.農家支援拡大のための追加緊急調査
しかし一方では、最低限の補修はしたけれど、日常生活を送るにはまだまだ不便な環境で生活している農家がたくさんあります。また、地域によっては依然として洪水の影響が残っています。そこで外務局を通じ、支援の範囲を拡大し、7つの地域での追加調査を行い、旧正月までに調査が終了しました。
以下に、調査の一例として、フエ市のフォンミィ地域とフォントゥ地域とでの調査結果を報告します。
(1)フォンミィ地域(昨年12月31日調査)
フエ市中心部から50km離れたフエ市の北西に位置した地域です。
今回の数回の台風の接近により、多くの箇所で浸水が起こっただけでなく、畑に使用する860ヘクタール以上のゴムが破壊され、100戸以上の家屋の屋根が吹き飛ばされました。
フエのBAJスタッフによって、一軒一軒の農家にヒヤリングを行いました。
ゴム畑は破壊されたままでした。
(2)フォントゥ地域(1月5日調査)
フエ市中心部から30km離れたフエ市の北に位置した地域です。
もともと氾濫原の少ない地域ですが、今回の台風で、フォントゥ地域は約40年ぶりの洪水に見舞われ、地域は何日も浸水しました。また、多くの家屋の屋根が広範囲に吹き飛ばされました。
浸水の跡が、家屋周辺や家屋の中に今でも残ったままでした。
調査実施前は、支援方法として農業関連物資の配布を検討していましたが、調査で明らかになったのは豪雨や浸水による家屋や家畜小屋の損壊の修理に際して、すでに借金をして対応している実態でした。
農家は農業物資の補充よりも、そうした修繕や復旧作業にかかった借金の返済に苦慮しており、それが農作業を含めた生活全般に影響していました。
現地行政の担当者からの助言もあり、前回の支援と同様に物資配布よりも救援金の配布を検討することになりました。旧正月までには支給を完了する予定です。
BAJは緊急支援のご寄付を引き続きお願いしております。
現地の被害状況および支援活動について随時ウェブサイト等でご報告いたします。
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