報告者:フエ事務所 Dong
BAJではベトナムのフエで、農家が有機栽培した野菜をBAJの直売所で販売しています。昨年12月末、日本で持続的農業開発を勉強して現在はラムドン省で農場を経営しているヴォー・チュン・ティン氏を訪問し、フエでの有機栽培の問題点について聞き取りをする機会を得ました。訪問では、BAJのフエ事務所のスタッフの他に、フエの農業経営者2名も同行しました。
ティン氏はホープランド・ベトナムの社長を務めており、「生活向上のための農業」をスローガンに、有機野菜、豆類、花、盆栽を主な農産物とし、季節に応じて20種類の農作物を育てています。
ホープランド・ベトナムは農民の生産価値を高めながら、顧客と農民が最大の利益を得るために、「小さい製品を顧客のそばに」という戦略で事業を営んでいるとのことで、高品質な農産物が収穫されてから調理されるまで幅広く製品化することで経済的価値を高めているそうです。また、彼は日本をターゲット市場として選んでおり、ベトナムと日本の両国が文化的および政治的関係が良好であることと、日本人は勤勉な民族で、日本との交流を深めることで多くのことを学べる間柄であることが主な理由だと話していました。
ティン氏が経営する農園です。
現在、フエの農場で作物を栽培するにあたって抱えている問題は、
①種子を効果的に発芽させる方法
②低収穫量のトマト植物が結実期に枯れやすい理由
③堆肥化の問題
④雨季の浸水農場の問題
⑤作物の害虫問題
⑥農地の効果的な使い方
⑦農場立上時に必要とされる農業機械の操作方法
⑧正しい芝刈り方法
で、今回の訪問によって、これらの問題の解決策を得ることができました。
ティン氏は、植物の苗床がどれほど効果的かを説明してくれました。
さらに、ティン氏はトマトの栽培方法を説明しながら、農場を案内してくれました。
堆肥化場も案内してくれ、堆肥製造方法について詳しく説明してくれました。
雨季の浸水を防ぐための貯水池と溝の様子です。
生産性向上に役立つ農業機械の紹介と操作指導もしてくれました。
草刈り機と防草シートの説明も受けました。(下の写真は草刈り機)
またティン氏は、BAJ直売所の仕入先としてお勧めできる農場や、ラムドン省で一番大きいファーマーズマーケットも案内してくれました。ファーマーズマーケットでは、フエでは入手できない品種の種子をいくつか購入することができました。(手に入れた種を植えてみました。→「最近のBAJ直営畑」「最近のBAJ直営畑<続報>」をご覧ください。)
今回の訪問でティン氏は、伝統的家屋に我々を招き、交流の時間を多く持つようにしてくれました。彼は、農業への情熱をより多くの人々に伝えることができるよう、BAJとフエの農家と一緒に活動できるのが楽しみだと話してくれました。
また今回、訪問に同行したフエの農業経営者も、「ティン氏が私たちの訪問を歓迎し、自身が経営している農場を特別に案内してくれ、フエの農家が直面している問題点について丁寧に答えてくれたことを非常に嬉しく思います。ティン氏への聞き取りを通じて、各個人の農場で農業生産をするにあたって応用できる技術を多く学ぶ機会となりました。」と話してくれました。
今後も、ティン氏との交流を続け、BAJとフエの農家の方たちとも志をひとつにして、BAJがフエの地域農家と消費者の共存の架け橋になっていきたいと思います。
●今回の訪問は、BAJ直売所のサポート活動の一部として、皆さまからのご寄付を活用しています。
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