報告者:東京事務所 新石
2024年12月18日から3日間に渡って、10か村から水管理委員会メンバーやポンプ操作者を3名ずつ招き、研修と情報共有ワークショップを行ないました。
BAJは外務省NGO連携無償資金協力(通称N連)の事業として、2024年3月から中央乾燥地域にて生活用水供給事業を実施中です。対象郡は、ニャンウー、チャウパドン、マグウェ、イェナンジャウ、チャウの5郡です。
現地の治安悪化やNGOに対する管理の厳格化により、とくに既存井戸修繕の実施スケジュールに遅れが出ています。
事態を打開すべく昨年10月にネピドーに訪れました。カウンターパートの村落開発局と会議をして、研修事業のみは進めて良いと確認が取れ、10月末の水供給事業者へのトレーニングに引き続き、12月に水管理委員会向けの研修を開催することができました。
村の生活用水に不可欠な深井戸は、村落の人たちによって管理運営されています。マネジメント(いくらで水を販売して管理するか)やメンテナンス(適切な機械操作やチェック)を担っているのが、村の水管理委員会です。
うまく経営して、貯蓄金をつくり、大規模な修理に備えたり、場合によっては公共施設の整備などの小規模開発に活用したりするケースもあります。
そのため深井戸の存在は、水供給という生活の要であるだけでなく、住民自身による村落開発の要にもなりうる存在です。
2017年に深井戸修繕事業を現地化していった際、こうした水管理委員会向けトレーニングを主催する主体はいなくなってしまった状況でした。今回、N連事業として再びこうした研修を通じて当時のフォローアップができて大変うれしいです。
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また、昨年12月末にようやくカウンターパートと覚書を締結することができました。締結に向けて動き始めてからおよそ2年弱掛かりましたが、これによって法的な立場も明確になり上記の深井戸修繕をいよいよ開始できます。現在はマウグェ郡シャーザウンカン村の深井戸修繕を準備中です。
そして、村落における実施が正式に可能になったタイミングに合わせて、各地からリクエストがBAJに届くようになりました。なかでも、ナマウ郡タモンピン村からは貯水タンク修理のサポートを依頼するレターが直接送られてきました。およそ10年前にBAJが深井戸を建設し、当時われわれにとって初めてだった高架式タンクを設置した思い出深い村落です。
(写真上 2013年竣工したタモンピン村の深井戸と高架型貯水タンク)
ナマウ郡はカウンターパートから治安悪化が著しい場所として実施を見合わせるよういわれ、対象地域から外していました。しかし、そうした地域だからこそ、村落住民のおかれた経済的苦境は想像に難くありません。カウンターパートと情報共有しながら、村落にコンタクトを取りつつ、いかに安全を確保しながらサポートできるか検討を開始しました。続報があれば報告いたします。
(写真上 12年前、新規深井戸建設前に訪れた際のタモンピン村風景)
皆さまからのご支援に厚く御礼申し上げます。今後ともご理解とご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
● 本事業は外務省NGO連携無償資金協力事業(N連)資金と皆さまからのご寄付によって実施しています。
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