報告者:東京事務所 新石
今年度、BAJは中央乾燥地域の10か村で深井戸修繕を実施し、井戸を運営している各村の水管理委員会向けにマネジメント講習や機械のメンテナンス、経営のグッドプラクティスを学ぶ情報共有ワークショップなどを行ないます。
BAJの水供給事業は2017年に元BAJ現地職員が結成した現地グループ(Natinal Waster Service Group以下NWSG)に引継ぎを行ない、以降は彼らを後方支援(資金調達、モニタリング、レポート等)する活動に移行しました。あれから8年、BAJが直接実施していた頃と何ができて何ができていないのか、フォローアップしていく計画です。
(7年前、水供給事業のローカライズを記念した式典にて)
7月上旬、ミャンマーに行き、中央乾燥地域のNWSGを訪ね、事業開始準備の打合せを行ないました。リーダーで元BAJ職員だったゾーミン氏の自宅に隣接しているNWSGの事務所兼宿泊施設も見学し、当地の水供給活動を担う若手メンバーたちにも挨拶することができました。
7月上旬、ミャンマーに行き、中央乾燥地域のNWSGを訪ね、事業開始準備の打合せを行ないました。リーダーで元BAJ職員だったゾーミン氏の自宅に隣接しているNWSGの事務所兼宿泊施設も見学し、当地の水供給活動を担う若手メンバーたちにも挨拶することができました。
家の玄関前の棚にはかつてBAJが作成した井戸修繕や井戸の運営維持管理のテキストや資料がミニ博物館のように保管されており、いつでも見られるように展示してありました。当時新しい井戸を建設した村から贈られた感謝状なども飾られており、BAJでの活動の記憶を大切にしてくれていることに感動しました。
(上段に井戸を建設した村から贈呈された感謝状などが並ぶ)
また、隣の倉庫兼宿泊施設には、2000年代当時から活躍している白いクレーン車、そしてNWSGが新たに購入したクレーン車、エアコンプレッサーや移動用の軽トラックなどが保管されており、遠方から参加している若手メンバーはこちらで共同生活していました。昼間は村に出かけて深井戸を直し、夜はこちらでポンプ等の機械の操作や修理方法を教え合っているそうです。かつての中央乾燥地域のBAJ事務所にも掘削チームと修繕チームの宿泊施設があり、あの頃の熱気が現在も続いているように感じて胸が熱くなりました。
(2000年代にとある日本企業様からいただき現在も活躍している白いクレーン車)
極度の政情不安からNGOへの締め付けが強まり、正式な活動許可の手続きが下りず、なかなか事業を前進させることが叶いません。状況はますます厳しくなる一方ですが、こうして、かつての仲間たちと再び活動できることに喜びと有り難さを感じています。
また、別の日にはカウンターパートの村落開発局と打合せを行ない、覚書締結がまだ結べていない状況でどのように活動を進めていけるか率直に相談しました。結論としては本事業の準備段階として調査を行なうこと、またカウンターパートの若手職員向けに行なう深井戸修繕のノウハウ共有の研修を段階的に実施していくことになりました。一歩ずつです。前述の通りNGOをめぐる状況は厳しさを増し、活動のリスクが日に日に高まっています。現地スタッフや現地グループと相談しながら慎重に活動を進めていきたいと考えています。
2000年にBAJが建設した深井戸は今も現役で稼働中(タウンジー村)
Copyright(C)2024 BRIDGE ASIA JAPAN. All Rights Reserved.