報告者:東京事務所 新石
12月14日、メイユーウォンタ寺院が運営する僧院学校にBook&Toyミニライブラリーの寄贈をおこないました。
昨年5月から再開した本事業、昨年度は合計5か所で実施することができました。活動の概要については前回の記事が詳しいです。
(メイユーウォンタ寺院の入り口にて記念撮影)
寄贈先の選定にあたっては、毎回候補先を数か所リストアップして事前に訪問調査しています。いろいろな状況を調べて、現場に訪れて感じ取ったことをレポートにまとめます。そして最後は総合的に判断して選定しますが、意識している点は主に2つに集約されます。「図書のニーズが高いかどうか」と「先生や親たちの熱心さ」です。
(寄贈目録を受け渡す様子)
ミャンマーは敬虔な仏教徒の方たちが多くいます。そのため、仏教系の施設には寄付や支援が集まりやすい傾向があります。再開以降これまで寄贈を進めてきた施設が仏教系ではないところが多かったのは、支援が届きにくい場所を選んできた結果でした。しかし、今回は仏教系の施設に決めました。こちらの学校を運営するお坊さんの熱心さが大きな理由です。
(僧院学校なので、子どものお坊さんも多い)
ヤンゴン郊外にはいわゆる貧困地域があります。地方から都会に出てきた人たちが集中して住んでいる場所です。そうした地域の子どもたちは学校をドロップアウトしてしまう子が多いです(加えて、現在の不安定な情勢の影響でますますその傾向が高くなり、教育を受けられる機会が少なくなっています)。
こうした状況を見かねたメイユーウォンタ寺院のお坊さんが近隣の子どもたちを集めて、勉強を教えるようになったのが、僧院学校のはじまりです。1993年から運営を開始し、現在では4歳から14歳の511人の子どもたちがここで学んでいます。2011年にはメインとなる校舎が日本の援助によって建てられました。
(けん玉の遊び方を紹介するときはいつも盛り上がります)
昔から指摘されている通り、ミャンマーの教育を支えているのは、公立の学校だけではなく、こうした寺子屋学校を始めとした民間の教育施設です。そして、ミャンマーにはこうした草の根の教育活動を支える人々の助け合いと寄付(支援)の文化があります。
(囲碁に夢中になる先生たち)
「なかなか思い通りにいかない状況の中でも何か一歩でも前に進もう」と思って再開したBook&Toyミニライブラリー事業ですが、毎回私たち自身が救われたような気持ちになっています。けん玉や囲碁で遊ぶ子どもたちの声や、本に熱中する子どもたちの表情にほっとします。そして、こうした空間を維持できるように、様々な工夫をしているコミュニティの大人たちの奮闘に触れることで、反対に私たちが元気をいただいています。
これからも、そうした人々とともに、Book & Toyミニライブラリー事業をつづけていきたいと思っています。
(小樽高等支援学校の木工科の生徒たちがつくってくれた特別な囲碁セット)
(本を夢中に読んでいる子どもたち)
●この活動は、三菱商事さまのトークン寄附によるご支援で実施しました。
●今後も継続予定です。皆さまからのご寄付を受け付けております。画面の最上部「寄付する」よりお進みください。
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