報告者:東京事務所 大野
読書は子どもの思考力、表現力、情操を育み、学力とコミュニケーション能力が向上するだけでなく、進路や就業の可能性を広げます。ところがミャンマーでは図書自体が高価で、日常的に図書に接せられるのは、富裕層の子どもや都会の一部の学童に限られています。機会が限られる子どもたちに、日常的に図書に接する環境を提供することを目的に、知育・情操玩具を併せた“Book & Toyミニライブラリー”を寄贈するこの事業。常々再開したいと思っていましたが、3年ぶりに、ヤンゴン郊外のマーシー・ゴールデン孤児院(6月17日)、ニューホープ・チルドレンホーム(8月24日)、チュードウ・カレンバプティスト教会(9月16日)の3か所で実施できました。以下、2か所目と3か所目の活動を報告しします。
(目録贈呈の際、お気に入りの本を持って記念撮影をしました)
寄贈物資
図書は、ミャンマーと外国の伝記や童話などの絵本のほか、図画や写真が豊富な図鑑や学習本、小説などで、好奇心を掻き立て、視覚的にも楽しめること、自国と海外の文化・情報が得られること、教科学習を補強することなどを考慮し選定しました。
(低学年の児童が、クイズを通して楽しみながら、さまざまな知識を学べる書籍です。)
(高学年の児童が、理科や社会の知識を得られる図鑑などです。英語も付記され、教師にも参考になります。)
知育・情操玩具は、自国の伝統文化の理解継承と、異文化への視野の拡大を考慮し、ミャンマーのチンロン(蹴鞠)や張り子、日本の囲碁やけん玉などとしました。
(自国の伝統文化を体験できる、ミャンマーの伝統玩具。僻地の子どもにとっては宝物です。)
(けん玉と囲碁のセットは、ゲームや遊びを通じて、異文化触れる機会を提供します。)
図書棚は、図書と玩具を収納するもので、これまで同様の事業で実績のある、機能と見栄えを重視したものを、ヤンゴンの業者に特注し製作しました。
(図書と玩具一式を収納する“Book & Toyミニライブラリー”。独特の機能とデザインで工夫された、特注品)
ニューホープ・チルドレンホーム
現地の社会活動家が、2014年に開設した孤児院です。チン州の国内避難民キャンプ出身の紛争孤児ら、5 歳から14 歳の子ども15人が大部屋で暮らしています。子どもの部屋は1部屋だけなので、パーテーションで一部を仕切り、図書コーナー設けました。
(BAJスタッフ2名が前に立ち、ミニライブラリーの寄贈式とワークショップの始まりです。)
(いよいよ本選びと読書の時間です。たくさんの魅力的な本があって、なかなか選べません。)
チュードウ・カレンバプティスト教会
1880年に設立された教会です。COVID-19と軍事政変の影響で、子どもたちのほとんどが、2年に渡って学校に通えなくなっていたため、教会が補完教育プログラムを始めました。図書棚は、校舎として使われている建物の中の1室に置かれました。
(上級生が低学年児童に読み聞かせをしていました。)
(イベントの終わりには、上級生が進んで本を集め分類しながら所定の場所に収納していました。)
これらの施設には、寄贈から3か月程度後を目安に訪れ、職員にヒアリングをおこない、必要に応じて利用方法の提案や、疑問・要望などへの対応をおこなってまいります。
当面、社会混乱による活動リスクを避けやすいヤンゴン近郊で継続する予定です。今後とも、皆さまのご協力をお願いいたします。
(さっそく夢中になって囲碁を楽しんでいました。)
●この活動は、花王ハートポケット倶楽部さま・花王さま、および三菱商事さまのご支援で実施しました。
●今後も継続予定です。皆さまからのご寄附を受け付けております。画面の最上部「寄付する」よりお進みください。
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