報告者:マウンドー事務所 相葉(東京事務所で待機中)
前回の活動報告でもご報告した通り、BAJマウンドー事務所では6月から女性のための裁縫訓練を開始しました。2017年に発生した大規模な軍事衝突をきっかけに中断して以来、約5年ぶりの再開です。
昨年のクーデター以降、現地のNGOの活動に対する制限が厳しくなる中、マウンドー事務所ではこれまで続けてきた小規模インフラ整備事業も半年近く中断を余儀なくされており、そのような状況の中でこの裁縫訓練を再開することができたことは、再開できたこと以上の喜びがあります。
5年間使われていなかった裁縫教室の改修作業は現地スタッフ総出でおこない、メカニックが電気系統などの配線設備を、エンジニアは内装・天井の改修の指揮をとるなどし、マウンドー事務所の粋を結集した新・裁縫教室で、6月6日に無事に開校式を迎えました。
開校式② ミャンマーでは腕を組むポーズは相手への敬意を示す
内容は針の扱い方や縫い方など基礎的な内容から始まり、刺繍やミシンの使い方といった技術・知識に加え、基礎衛生や栄養学、疾病予防やジェンダーについてなど、普段の生活にも役に立つ知識や教養も学びます。
ミシンの使い方を学ぶ
手縫いの練習
ロンジー作りに集中する受講生
今回の受講生の募集は、実施しやすさと治安状況を鑑み、マウンドー地区の市街地から20人の参加者を募って実施しています。市街地出身者が多いせいか、受講生全体の識字率が高く、以前はカリキュラムに取り入れていたミャンマー文字学習を今回は省き、その分多くの時間を裁縫訓練に充てることができています。ほんの一部の例ではありますが、このことは現地の教育水準が改善されている可能性がうかがえる興味深い発見でした。
そんな裁縫訓練も、8月9日に約2か月半の基礎コースを修了し、15日から応用コースが始まりました。応用コースは11月までの約3か月間を予定しています。しかし現地の情勢は依然として先行きが読めず、今後も安定して事業を継続できるかは不透明です。そのような状況の中でもできる限り事業を継続、また再開していくため、現地スタッフと連携をとりながら、スタッフの安全を第一優先に取り組んでいきたいと思います。
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