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マウンドー裁縫教室運営と「小さな図書室」寄贈の再開:ミャンマー

マウンドー裁縫教室運営と「小さな図書室」寄贈の再開:ミャンマー

報告者:東京事務所 新石

2020年はコロナ、2021年はクーデターによる混乱で、私たちのミャンマーの活動は困難な状況が続いています。この2年間はじっと我慢のときであり、それは現在も基本的には変わりません。

 

2022年を迎えた頃、なにか一つでも前向きになれるような活動を行えないだろうかと考えていました。それには何よりも現地スタッフたちの気持ちが重要です。私だけが日本から一方的に言っても意味はありません。春ごろからスタッフたちとあらためて話し合い、BAJが現在できる活動について具体的に検討をはじめました。


(ラカイン州マウンドーでの調査のようす)

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昨今の情勢と関係なく、昔から再開したいと思っていた活動がふたつありました。ひとつはラカイン州マウンドー事務所で行なっていた女性向けの裁縫訓練の活動。もうひとつは2019年に100か所の寄贈を完了した「小さな図書室」(別名Book & Toy ミニライブラリー事業)です。

                              

話し合いの結果、現地スタッフたちの気持ちも前向きなことが分かり、なんとか小規模でも活動を再開しようと動き始めました。



(ヤンゴン郊外の調査のようす)

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「小さな図書室」寄贈の活動についてはヤンゴン郊外の孤児院や寺子屋学校、民間の養護施設を中心に調査を開始し、図書寄贈のニーズを確認しました。コロナの影響で寄付が集まらず経営難に陥っている施設が多く、どこの施設も私たちの「小さな図書室」を歓迎してくれる状況だと分かりました。

 

一方、ラカイン州北部マウンドーの裁縫訓練では、まず活動の場所を事務所内の教室に限定し、参加する女性たちもマウンドーの町を中心に集めることにしました。規模が大きくなると、移動許可などの手続きのハードルが上がるためです。

裁縫訓練の特徴は異なる民族を混ぜて運営することです。学びの場を通じた民族融和がテーマで、元々2017年8月まで国連難民高等弁務官事務所(UNCHR)とともに実施していた平和的共存事業の一部でした。それがテロ事件とその後に続く苛烈な掃討作戦、大量の難民発生によって中断を余儀なくされ、これまで5年間、再開の検討すらできない状況が続きました。ですので、いつか再び同地の女性たちのために学びの場所を開きたいというのは私たちの悲願でした。



(2017年7月、裁縫教室にUNHCRの高等弁務官が視察に来たとき)

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そうして、ついに裁縫教室は6月初頭、「小さな図書室」寄贈は6月下旬に再開することができました。


(6月6日 裁縫訓練の開講式のようす)

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裁縫教室の再開にあたっては現地スタッフが現地機関との交渉をがんばってくれました。これまでのBAJの同地域での実績と信頼、そしてベテラン現地スタッフの人間力が成し得た活動再開だと考えています。


(再開した裁縫教室のようす)

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有り難いことに「小さな図書室」寄贈の活動は、これまでにいくつかの日本企業の皆さまから寄付のお申し出を受けています。こちらは目標数をあらかじめ設定せず、寄付が集まり次第、1か所ずつ現地の状況を見ながら慎重に寄贈を進めていく予定です。8月に2か所目の寄贈を準備中で、10月にもさらに1か所寄贈する予定です。

(6月下旬ヤンゴン郊外の民間養護施設での寄贈のようす)

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裁縫教室は現在20名の女性たちが参加しています。11月まで一つの教室でともに学びます。裁縫訓練のインストラクターである現地スタッフは、かつてBAJが同じように実施していた裁縫訓練の卒業生で、かれこれ20年近くこの活動に関わってくれています。5年ぶりの再開で久しぶりに彼女が活躍する姿がみられて嬉しく思います。

 

教室の様子が現地から届いていますが、参加者の女性たちも徐々に打ち解けてきているように見えます。これからどのようなことを学び、どのような気付きがあり、どのような物語が生まれるのか、たのしみです。


(指導するインストラクターのスタッフは元卒業生)

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(作成した子ども用ブラウスを手に持つ訓練参加者たち)

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「小さな図書室」寄贈の活動も、学びの場を通じた民族融和の裁縫教室の活動も、皆さまからのご支援によって実現しています。

 

BAJは現在、夏募金キャンペーンを行なっています。皆さまからの応援が私たちの原動力です。ぜひご支援、ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

 

ラカイン州マウンドーの裁縫訓練事業、ヤンゴン郊外の「小さな図書室」寄贈事業は、皆さまからのご支援で行なっています。

現在、BAJ夏募金を受付けております。ご協力をよろしくおねがいします。画面の最上部「寄付する」よりお進みください。

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