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ミャンマーでの活動について

ブリッジ エーシア ジャパン事務局長 新石 正治

 

ミャンマーは2月の政変以降、混乱を深めています。各地で分断が進み、衝突と戦闘がくり返され、予断を許さない状況が続いています。2月22日にホームページで報告した状況は基本的に変わっておりません。わたしたちは引き続き、現場の仲間たちとともに、わたしたちの力がおよぶ範囲で、地域の人々のための活動を進めているところです。

 

後方支援を担当するヤンゴン事務所の職員は、毎日治安に注意しながら通勤しています。自宅周辺のセキュリティが厳しく移動が難しい場合は、リモートでの勤務に切り替えています。最近では往来のはげしい車道にとつぜん検問所が設置され、渋滞に巻き込まれて出勤が不可能になるなど思わぬ事態も起こりますが、現地職員はみな落ち着いて、このような非常事態下の日常に対処しています。

 

また、ラカイン州では学校建設事業の完了にともないシトウェ事務所およびタンゴップ事務所を閉じましたが、ラカイン州北部マウンドー事務所は引き続き継続中で、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と共に支援ニーズ即応事業を進めています。

コロナ感染者数の再拡大への懸念や治安への配慮もあってか、当局から村落部への移動許可が下りず、思うように活動が進捗してません。しかし、BAJの同地での25年以上の活動を思い起こせば、これまでも厳しい状況は何度もありました。たとえ現場に行けなくても、さまざまな方法を駆使して、現地職員たちが臨機応変に村落コミュニティのインフラ整備を進めています。頼もしいベテラン現地職員たちに頭が下がります。

 

さらに、ミャンマー全土では銀行機能の麻痺がつづいています。現金の引き出しに制限が設けられ、活動に必須な物資調達が難しくなっていることはもちろん、一般市民の生活への影響も深刻になっています。ヤンゴンの一部の職員やマウンドーの多くの職員が現金で給与を受け取っています。現金をいかに確保するかはBAJだけでなく、どの団体も、どの企業も、どの国際機関も、頭を悩ませており、この点についてよい方法がないかお互いに情報交換しています。

 

困難はほかにもたくさんありますが、細かく書いても仕方がありません。そもそも困難な情況のなかで活動をつづけるのが、わたしたちNGOの本懐であるともいえます。

「違いをこえて、ともに知恵を出し合い、ともに生きる道をさぐる」――これがBAJの活動理念ですが、わたしはこれを、困難を乗り越えようといっしょに四苦八苦するプロセスに価値をおいた言葉だと理解しています。わたしたちの活動現場が維持される限り、わたしたちはわたしたちの掲げる「理念」を、活動をつうじて表現しつづけていきます。これからもわたしたちは、現場でやれることをやりつづけるのみです。

 

2月22日以降、ホームページ上ではミャンマーの活動報告を更新しておりませんでしたが、メルマガやBAJ通信(ニュースレター)では報告しておりました。このたび、ホームページ上でも活動報告を再開するにあたって、BAJのミャンマーの活動状況について書かせていただきました。

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