報告者:マウンドー事務所 神永
ミャンマーでは新型コロナウイルス感染症の陽性者数が、最大都市のヤンゴンを中心に8月から急増し、ヤンゴンやラカイン州の州都シトウェ等、多くの都市で外出自粛・移動制限の措置が取られています。
<10月4日付 Bangkok Postより>
以前、「ラカイン州における活動の中断」で報告したように、今回の新型コロナウイルス感染症拡大をうけて、食料支援や新型コロナウイルス感染症関連の「重要な」活動を除いた支援活動の実施許可が取り消されたため、進行中だった各種活動の中断を余儀なくされました。その後、10月末現在まで、感染拡大は落ち着きを見せず、活動は再開できないままです。
事業実施する上で制約がある中、ミャンマー国内の各事務所では、活動再開に向けて、新たな取り組みを行っています。
ラカイン州の事務所(シトウェ・マウンドー・タウンゴップ)では、学校建設などのインフラ整備に使用する資機材の維持管理を強化しています。コロナ渦で活動を行えない今、車両や発電機などの機材やインフラ建設用の資材の使用頻度が激減しています。活動を再開したときに、機材を不備なく速やかに使用できるよう、事務所間でオンライン会議を実施して対策を練り、資機材の維持管理を今まで以上に組織的に実施できるようにしました。
マウンドー事務所では、中断した事業の現状のモニタリングや、パートナー団体である国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)との事業再開に向けた話し合い等を進めつつ、感染症対策関連の支援を継続する支援団体への車両等の整備サービスを提供しています。
シトウェを中心に、児童向けの防災研修やPTAに対する能力強化研修等を実施していたチームは、研修が実施できない状況下、各職員の能力向上と研修内容の改善に主眼をあてて、オンラインミーティング等を重ねています。
コロナの感染拡大が深刻なヤンゴンの事務所では全員が在宅勤務中です。しかし、ほぼ全ての支援活動が中断中といえども、会計処理や事務所の維持管理のための業務は通常通りおこなってます。
現在は、週3日、東京事務所の職員とオンラインミーティングを実施して、全体の情報共有をしつつ、日々の業務を継続しています。また、コロナの発生状況を主として、現地の重要なニュースを東京に報告しています。
ヤンゴンを中心に未だに陽性者数が増え続けており、活動再開の目処は立っていません。貧困や紛争、そしてコロナと多くの困難に直面している現地住民がいるなか、思い通りに活動ができないのは、支援団体として非常にもどかしい心境です。しかしその中でも、事業の質の向上や効率化のために、できることは多くあります。耐雪梅花麗。ミャンマーの現地住民とともに、地域開発のための支援活動を実施できる日が一日でも早く来るのを願いつつ、その日に向けて、活動を継続していきたいと思います。
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