報告者:シトウェ事務所 神永
ラカイン州では学校建設を通じたコミュニティ開発事業の一部として、環境教育授業を実施しています。7月に今年度の環境教育授業を開きましたので、活動の様子とともに、内容を紹介したいと思います。
環境教育授業は、ラカイン州の児童が環境教育へ取り組むきっかけをつくることを目的として、植林活動と並行して実施しています。授業では、植物の多様性や、ラカイン州の在来植物と地元民の生活文化の関係性について、また環境保全の観点から、ミャンマーでも深刻化している森林破壊の主な影響等を紹介しました。
各樹木の特徴についての授業風景
BAJ職員の説明だけでなく、地元の森林局の職員や樹木に詳しい村人をゲストスピーカーとして招き、植物について話していただきました。
まだまだ、環境保護や植物に関する教育が一般的でないミャンマー、特に教育設備が十分に整備されていないラカイン州の地方では非常に稀であり、この活動を通して子どもたちが植物と環境保全について興味を深めてもらえればと願います。
また、環境教育授業の実施に併せて各対象校では、事前に植林活動も実施しています。今回は、植栽した苗木の発育状態と管理状況を、植物の専門的知識を有する日本人職員が観察し、専門的な観点に基づいた技術的アドバイスをおこないました。
順調に成長している樹木がある一方で、すでに衰弱しているものもありました。植物の枯死をいかに減らせるかは、次年度の活動の課題です。現場では、村が自ら出資して、家畜防護用の柵を設置したり、地ぎわに堆肥を撒いたりする等の工夫も見られました。
今後、植物が適切に管理され、順調に育っているか、各学校の先生を通じて、定期的にモニタリングを実施していく予定です。
環境教育活動の目的の一つは、各地域に伝わる自然に関する知識を次世代(子ども達)に継承することです。今年、この活動に参加した児童の多くが、植物に関心を持ち、将来、自分たちのもつ文化を継承する担い手となってもらえば幸いです。
●本事業は、日本財団からの資金で実施しています。
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