報告者:東京事務所 大野
7月2日、ミャンマー・エーヤワディーデルタのトウトゥッ村の小学校において、子ども達と先生が「マングローブの防風林植林」を体験学習しました。地域の環境団体の村人を先生に、マングローブの森を守り育てる大切さを学ぶとともに、学校防風林となる区画の一部に地元のマングローブの苗木を植えました。
この地域の小学校は、マングローブ林が消失した低湿で平坦な三角州の水際にあって、荒天の影響を強く受けています。少ない予算のなかようやく建てられた校舎は度々損傷し、修理が行き届かないため劣化が早く、教育環境が損なわれています。学校防風林の目的は、風雨を緩和し校舎の劣化損傷を最小化すること、そして村の避難所ともなる校舎の避難時の安全性を高めることです。2017年からBAJは現地の環境団体と協力して、校舎や敷地を囲む「マングローブの防風林」を造る活動を5つの小学校でおこなっています。
今回の環境学習クラスには、75人の児童が参加し、現地連携NGOのリーダーからマングローブ林が高潮や風雨の影響を低減させることや、さまざまなマングローブの樹が、薬や食べ物や木材を村の暮らしに提供していたことを学びました。そして、なくなった森を再生させるために、この団体とミャンマー森林局や海外のNGOが協力して、苗木を育ていくつもの村で植林をしていることも知ってもらいました。
マングローブ林について学ぶ子ども達
環境学習の後は、高学年の児童30人が先生やPTAの人たちと一緒に、約500本の苗木を校庭の縁沿いに7.5 mほどの幅で一本いっぽん丁寧に植えました。以降の4日間で11種類合計1万本の苗木が、敷地をコの字型の帯状に囲むように村の人たちの手で植えられました。苗本は数年で3 m~4 m、10年で10 m程度の「樹林の壁」になり、防災機能が発揮されると期待できます。また、植えられた苗木は全て在来の樹種であるため、学校を囲む郷土の森が復元されることになり、理科教育の教材になり展示林的な役割も果たします。
子ども達が青年になるころには、懐かしいふる里の樹林が学校と村の人たちを守ってくれることでしょう。
楽しかった体験植林。「早く大きくなれ!」
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