報告者:パアン事務所 須藤
BAJパアン技術訓練学校運営プロジェクトは、2019年1月に始まった開校6年目の前期プログラムが終盤を迎えています。
今回は主に4月から5月にかけての活動をご報告します。
(1)土曜特別授業-「麻薬の基礎知識」と「障がい者との共存」
本校では月に2回程度、様々な講師を招いて土曜特別授業を行っています。4月に開催した授業をご紹介します。
一つ目は、ミャンマー警察パアン麻薬対策部指揮官による「麻薬の基礎知識」です。麻薬はカレン州内でも出回って、本校訓練生の身内にも中毒患者がいたりと、身近な問題となっています。麻薬については、まずは正しい知識を知ることが重要と考え、パアンの麻薬問題の第一人者による講演を開催しました。
ミャンマー警察麻薬対応部司令官による「麻薬の基礎知識」講演
二つ目は、パアンで活動する同じ日本NGOであるAAR Japanスタッフによる障がい者問題についての講演と、ワークショップを開催しました。
ワークショップでは、各科に分かれてそれぞれの専門分野で障がい者のためになる装置や道具などの開発について独創的なアイデアを出し合い、最後に各科のアイデアを発表しました。
国際NGO-AAR Japanスタッフによる「障がい者との共存」講演
溶接科チームの検討風景
[各科のアイデア]
●建設科
・トイレなどを段差なく、広く、なめらかに作る
・高いビルを作るより、一階だけの建物を作る
・建物内に手すりなどを設置する
・段差ではなく、スロープのデザインを優先的に採用する
・高いビルを建てる時は、エレベーターなどを優先的に設置する
・足がない人のために、木製の松葉杖を作成する
・水を簡単に飲めるような工夫をする
●溶接科
溶接の技術を使って作れるものとして、
手すり、松葉杖、車椅子、段差のあるところに設置するスロープ、トイレ台、ベッド、椅子
●電気科
・補聴器を作る
・車椅子にモーターをつける
・視覚障がい者のためのアラームのベル
・義足と義手にモーターを付ける
・足の不自由な人のためにモーターでコントロールする車を作りたい
・視覚障がい者の持っている白杖にアラームセンサーを付ける
・体の不自由な人のために様々な電気製品などを作る
●自動車整備科
・車椅子にモーターをつけてリモートでコントロールする。
・車椅子にブレーキシステムを設置する
・足の不自由な人がバイクに乗れるように2輪から4輪バイクに改造する
・体の不自由な人が簡単に乗車、下車できるように移動のコントロールシステムを発明する。
電気科チームの検討結果の発表
(2)企業などの訪問
ミャンマー中心地ヤンゴンの経済・文化に触れること、ヤンゴンの関連企業の実情を知ること、ヤンゴンでも働けそうな感覚を身に着けること、卒業生の働き方を知ること等を目的に、
4科を自動車整備科と電気科グループ、溶接科と建設科グループの2グループにわけて、5月15日~24日にかけてそれぞれ3日間の行程で、ヤンゴンある合計12社の企業と2校の職業訓練校を訪問しました。
ティラワ経済特区の建設資器材リース会社:AKTIO ミャンマー社訪問
中央右は同社で働く溶接科卒業生のLin Lin Naimgさん、中央左は同社の池貝文男マネージャー
●パアン技術訓練学校運営事業は、日本財団および皆さまからのご支援でおこなっています。
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