報告者:ヤンゴン事務所 塩野目
ラカイン州で実施してきた女性のエンパワメント事業は、2月までに今年度予定していた全ての研修が終了し、女性たちの手織りの布を使った製品がヤンゴン市内の2店舗で販売開始となりました。
販売されているのは、トートバッグやポーチ、ランチョンマットとコースターなどの小物で、どれも女性たちが糸から織り上げた心のこもった品です。
これまでは、アクリル糸を使い、決められた柄の布しか織ったことがなかった女性たちですが、今回の研修で、より難易度の高い綿混紡糸を織る技術を学び、自分たち自身でデザインした柄の布を織りあげました。
模様をデザインする工程は特に難易度が高いため、研修参加者の半数近くは、以前は熟練工に賃金を支払って依頼していました。今回の研修でデザイン技術を身につけ、熟練工に依頼しなくても、自分たちで模様をいれることができるようになりました。
織りあがった布を製品に仕立てるのは、縫製業に従事してきた女性たちです。縫製の仕事をしてきたといっても、村での仕立ての仕事はロンジーやブラウスがほとんどです。1センチ単位での正確な採寸や型紙に沿った裁断など、日本では当たり前の技術ですが、彼女たちにとっては初めて学ぶことばかり。
また、手織りの布を使ってバッグやポーチを作ることも初めてで、レパートリーの幅を広げることができました。研修では小物の作り方だけでなく、品質管理についても細かな指導がありました。
3月8日、ネピドーで開催された国際女性の日のイベントにブースを出展し、事業の展示と商品を販売、多くの方に購入していただきました。女性たち自身もブースに立って接客する初めての機会となりました。
また3月10日には、ヤンゴン市内にあるdacco.myanmarで商品の発売と事業の成果報告を兼ねたイベントを開催し、ラカイン州の村から来た女性たちも来店したお客さんと交流しました。
事業の最後におこなった研修旅行で、綿混紡糸の注文方法を学び、機織り機のパーツ業者、ヤンゴンの販売先を直接訪問した女性たち。本事業は3月末をもって終了しますが、今後、一部の女性たちはヤンゴンの販売先との関係を継続し、自分たち自身でビジネスをしていきたいと考えており、ここから彼女たちの新たな挑戦がはじまります。
<本事業の製品を扱っている店舗は下記のとおり>
dacco.myanmar
Sunflowers Organic Dye Textiles & Crafts Shop
●本事業はUN Womenからの資金で実施しました。
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