報告者:タウンゴップ事務所 吉崎
BAJでは、日本財団の資金を得て、ラカイン州における住民参加型による学校校舎建設プロジェクト第2期の1年次(2017年9月~2018年8月)を実施しています。
(事業概要はこちら)
全ての活動に触れたいところですが、今回は防災訓練ワークショップと、教材林/環境教育活動についてご紹介します。
〇 防災訓練ワークショップ(1年次22校対象)
1校につき2日半をかけて、洪水、サイクロン、地震、火事、津波の5つの自然災害に関する防災知識を学ぶワークショップ。対象は学校生徒と、村長や校長を含むPTAの方々です。
各災害のシミュレーション訓練や、村を歩いてまわり避難地図をつくったりと、内容も充実しています。
地震災害のシミュレーション訓練
避難地図づくりのための村歩き
はじめて防災について学ぶ子どもたち。大切な部分はノートへ!
私たちが活動を行うラカイン州の現場は、いわゆる「村」です。
村の中や周りに頑丈な建物は無いか、限られています。
本ワークショップでは、災害に強い地域づくりに加えて、BAJが建設した学校校舎が災害時の避難先としても認識・活用されることを目指しています。
各村の避難地図にも、BAJ校舎が描かれました。
実際に描かれた避難地図
〇教材林/環境教育活動(防災訓練ワークショップ実施校)
ミャンマーで防災を考える際、自然環境は欠かせない要素です。
最大の自然災害のリスクの一つがサイクロンである一方で、森林劣化は深刻です。
村の方々や、BAJの現地シニアスタッフも、この数年だけでも豪雨時には以前より頻繁に土砂崩れが発生するようになっていると実感を持って話してくれました。
そこで本事業では、防災訓練ワークショップの一部として、校庭に植栽を行う「教材林」活動を行っています。
教材林活動での植栽の様子
また、日本人専門家に加え、現地の森林局や村の方々のご協力を得て、以下の内容で「環境教育」の特別クラスを開きました。
・ひとの暮らしと環境/自然のつながり
・なぜ自然は大切なのか?
・ミャンマーにおける森林劣化と自然災害の関係
・どのように自然を守れるか?
・身のまわりの植物や、呼び名の由来と利用法
日本人専門家とBAJ
現地森林局
村の方のセッション
BAJの教材林/環境教育活動の目的の一つは、各地域・村での自然に関する知識を次の世代(子どもたち)に伝え、残していくことです。
上記から、村の方々には「身のまわりの植物や、呼び名の由来と利用法」部分をご担当いただきました。
話し手のお一人は、お話する内容を、事前に入念に他の村の方と話し合ってくれたそうです。
(だからこそか、普段はおしゃべりなのに当日はかなり緊張したご様子で、なんだか微笑ましかったです。)
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8月末の1年次終了を目前に、各活動の振り返りや次年度の準備を進めています(本事業は5年間の継続事業)。
どの国の、どんなお仕事にも苦労はつきものですが、ミャンマーの現場でも全てを予定や理想通りに実施するのは、それなりに大変です。
そんな中でも、実施のみに満足せず、スタッフが自分たちで振り返り、気付き考えて、反省を踏まえて、実際の改善に向かわせていくことが大切と感じています。
7月にタウンゴップ事務所で開かれた各スタッフ会議の様子
来年度、さらに磨きをかけた活動をコミュニティに届けられるように、まずは今年度を走り切りたいと思います。
引き続き、皆さまの温かなご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
●ラカイン州における住民参加型による学校校舎建設事業は、日本財団および皆さまからのご支援で行っています。
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