報告者:ヤンゴン事務所 今村
ミャンマーラカイン州では、学校校舎建設事業を実施中です。
今回、5月~6月にかけ1か月間、日本人の土木技師を専門家として招聘し、BAJ現地エンジニアへの指導をお願いしました。(前回の専門家派遣についてはこちら)
既に2年以上に渡り同じ専門家に来ていただいているため、今回はいつもと形式を変え、BAJ現地エンジニアの能力向上をはかりました。
これまでは、専門家と現地エンジニアが建設現場および完成校舎へ訪問し、専門家からご意見をいただいていました。今回も基本的には同じですが、いつもと違うのは、専門家指導の前に担当エンジニアが自分で工事中の校舎や完成校舎を観察し、どのような問題点を抱えているかを自ら考えたことです。
BAJエンジニアが専門家指導の前に自分で確認中
安全な作業足場、質の高いコンクリート打設方法、塗装時の仕上げ方法等の専門家から何度も指導されてきたことについては、現地エンジニアが自分で気付くことができました。予想していたよりも彼らが自分で気づけることが多くあり、専門家派遣の前の彼らの能力を考えると大進歩と言えます。これまで専門家に辛抱強く指導をしていただいた結果です。もちろん、彼らが自分で気づけなかった部分は、専門家に補足をしていただきました。
専門家による指導
今回の技術専門家の招聘では、BAJエンジニアたちが自分で建設現場の問題点等をある程度把握できる程成長していることがわかりましたので、気付いたことに基づいて工事が進められるよう、次のステップとして、現場労働者たちとの円滑なコミュニケーションの向上を期待したいところです。
また、昨年実施した参加型評価(こちら)では、残念ながら完成したいくつかの校舎で雨漏りが確認されたため、専門家にこの原因究明もお願いしました。
校舎屋上部分や屋根裏部分を調べたところ、トタン屋根を閉めるネジ穴の隙間からの漏水が主な原因であることが確認できました。施工の際に現場労働者が注意するように働きかけていきたいと思います。
屋根裏の雨漏り部分を確認中
屋上部分を確認するための仮設足場
屋上の雨漏り部分を確認中
例年通り、ミャンマーは雨季の時期となりました。ラカイン州は、ミャンマー国内でも雨量が多い場所です。専門家の指摘を元に雨漏りのない校舎を建設していきます。
●ラカイン州での学校校舎建設は、日本財団からの資金で実施しています。
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