報告者:ヤンゴン事務所 今村
マウンドー事務所では、1998年から2006年にかけ日本政府、UNHCR、WFPの資金によりマウンドー郡北部と南部へ橋およびカルバートの整備事業を実施しました。
ラカイン州北部では、道路および橋の整備状況が悪く、BAJが敷設した橋およびカルバートにより、初めてマウンドー郡は全域での車輛アクセスが可能となりました。
橋が完成する前は、国連機関もボートによりマウンドー市街地から郡内の村へ移動していた程です。
隣のブティドン郡およびラティドン郡は未だに道路・橋の整備状況が悪く、陸路では到達できない村が多く残っています。
現在、昨年の事件後に新設されたミャンマー政府機関のUEHRD (Union Enterprise for Humanitarian assistance, Resettlement, and Development in Rakhine) 主導により、マウンドー郡南部では道路工事が実施中です。
以前は、マウンドー市街地から州都であるシトウェ郡の対岸に位置するアングモへの幹線道路は舗装部分が少なく、路面状況が劣悪でしたが、全面コンクリート舗装する工事がかなり進んでいます。
本工事開始前は、マウンドー・アングモ間は車輛で3時間以上かかりましたが、現在の時点で2時間20分程の時間で通行可能となっています。
舗装工事が完了した際には、さらに短時間での通行が可能となります。
道路のコンクリート舗装に伴い、道路幅も拡張される予定のため、BAJが過去に建設した橋やカルバート(12または14フィート)の多くが、2車両同時通行可能な幅が広い橋(18または21フィート)に置き換えられています。
まだ残っているマウンドー南部のBAJ整備による橋も今後置き換えられる予定とのことです。
BAJの橋が取り壊されるのは残念ですが、建設から約15年、役割を十分に果たしてきたと言えます。
BAJが同地へ橋を架け道を繋げた当時、ミャンマー政府にはそれができませんでしたが、現在では政府が自らインフラ整備ができるようになったことは地域開発の観点からは歓迎すべきこととです。
また、BAJの橋があったからこそ、現在進んでいる政府の道路整備も円滑にできていることも事実です。
同地でのBAJによるインフラ整備事業は一つの転換期を迎えました。
これからは幹線道路から離れたコミュニティでのアクセスを改善する小規模インフラ整備で地域貢献していくことが期待されます。
進行中のコンクリート道路整備
既にBAJの橋から新しく置き換えられた橋
まだ残っているBAJ建設の橋
置き換えられている最中のBAJの橋(左:BAJ建設の橋、右:政府が整備中の橋の一部)
道路整備により以前より多くの人に利用されているアングモ桟橋
●マウンドー郡での橋とカルバート建設は、日本政府、UNHCR、WFPからの資金で実施されました。
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