報告者:ヤンゴン事務所 今村
マウンドー事務所では、ラカイン州北部マウンドー郡およびブティドン郡にて、ラカイン族住民とムスリム住民の相互理解を促進させ、民族・宗教を超えた平和的な共存の実現を目的として、裁縫訓練、コンピュータ研修および機械修理研修を実施し、様々な民族が共に学べる場を提供していました。
2017年の計画では、全15研修(裁縫7研修、コンピュータ5研修、機械修理3研修)を実施予定でしたが、8月25日に発生した武装勢力によるミャンマー国軍関連施設襲撃事件以降の混乱状況により、活動を一時中止していました。
同日から現在まで、バングラディシュへ約70万人のムスリム住民が難民として国境を渡り、その中には、BAJの研修を受けていた住民も含まれています。
これらの状況から、BAJは8月25日以降一時中止としていた研修は再開せず、平和的共存事業の活動も2018年は実施しないことを決断しました。
2017年の本活動の実績は以下のとおりです。
【女性のための裁縫訓練】
・2研修完了(ラカイン族17名、ムスリム14名、計31名修了)
・5研修実施途中にて中止(ラカイン族37名、ムスリム50名、テ族1名、カミイ族2名、ダイナ族10名、計100名)
【中高生男女のためのコンピュータ研修】
・2研修完了(ラカイン族8名、ムスリム15名、計23名修了)
・3研修実施途中にて中止(ラカイン族14名、ムスリム17名、ダイナ族3名、テ族5名、ヒンドゥー1名、計40名)
【若者男性のための機械修理研修】
・1研修完了(ラカイン族2名、カミイ族8名、ムスリム10名、計20名修了)
・1研修実施途中にて中止(ラカイン族10名、ムスリム10名、計20名)
・15名の研修生を予定していた1研修が未着手
このような状況になり活動を終了することは非常に残念ですが、完了できなかった研修を含めると合計234名の若者が共に学びました(うち74名全カリキュラム修了)。
彼らが身に着けた技術でこの困難な状況を生き抜き、さらに、民族・宗教を超えて共に学んだ経験から各コミュニティにて平和的解決を導く人材となることを願ってやみません。
機械修理研修の様子
コンピューター研修受講中のラカイン族とムスリムの男子生徒
コンピューター研修受講中のラカイン族とムスリムの女子生徒
裁縫訓練中の様子
裁縫訓練集合写真
裁縫訓練を見学するグランディ国連難民高等弁務官
裁縫訓練の様子がUNHCRのFacebookに掲載されています。
マウンドー事務所では、2018年、国連難民高等弁務官駐日事務所(UNHCR)の資金による車両等機械類の整備事業と日本財団資金による学校建設事業のみを実施予定です。
また平和的共存事業が再開できるような地域情勢となることを願っています。
●平和的共存事業は、国連難民高等弁務官駐日事務所(UNHCR)および皆さまのご支援により実施していました。
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