報告者:マウンドー事務所 今村
10月9日、マウンドーとラティドンにある国境警備警察の地域本部を含む3つの基地がイスラム系武装勢力により、同時多発的に攻撃を受けました。これに対し、ミャンマー政府軍及び国境警備警察の合同軍は掃討作戦実施、さらに武装勢力側との交戦等が起こり、BAJは一部活動ができない状況になりました。そのような中、10月9日以来停止していた「平和的共存事業」での2コースの研修を再開しました。
写真は、ブティドン郡Zay Di Taung村での機械研修です。
研修内容は、単気筒エンジンの修理方法。全40日の研修日程で、10月9日までに32日が修了済み。11月27日に再開し、残り8日間の研修を実施しました。
2か月近くに及ぶ中断を挟みましたが、12月9日無事参加者たちが研修全日程を終え、修了式が実施されました。
そして、こちらはブティドン郡Nyaung Chaung村でのコンピューター研修です。
コンピューター研修は、高校生を対象としています。
11月上旬に研修を再開しようとした際、学校は再開されていましたが、治安面の不安からか学校に出席している生徒は少数でした。コンピューター研修に参加している生徒の何名かも10月9日以降学校へ出席していなかったため、BAJスタッフが生徒の家まで行き、状況を説明し、何とか再開にこぎつけました。
12月16日に実施された修了式の様子です。
この活動は、村人たちの技術力等の向上を目指していますが、より大きな目標としてラカイン人とムスリム住民の平和的共存を目指しています。両者が共にBAJの研修で学ぶことで、相互理解を促し、互いに尊重していけるようになることが目標です。
10月9日以前、ラカイン州北部は、他の地域と比べると、ラカイン人とムスリムが絶妙なバランスの上で比較的良好な関係を保っていました。10月9日の襲撃事件後、状況が変わりつつあります。そうした状況のなか、BAJの本活動がますます重要な役割を担っていくと考えています。
ご紹介した2つ以外の研修は活動を停止していますが、ラカイン人とムスリムの平和的共存を目指し、随時研修を再開する予定です。
●ラカイン州マウンドー事務所での平和的共存事業は、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)および皆さまからのご支援で行っています。
Copyright(C)2024 BRIDGE ASIA JAPAN. All Rights Reserved.