報告者:ヤンゴン事務所 塩野目
BAJが今年から開始したBook&Toyプロジェクトの進捗をご報告いたします。
ミャンマーの辺境地の子どもたちに良質な図書とおもちゃに触れる機会を提供することを目的に、これまで10校の小学校に図書棚を送ってきました。3~5年かけて100校へ寄贈することを目標にしています。
寄贈される図書棚。
児童図書約250冊と日本・ミャンマーの伝統玩具が詰まっています。
今回、第3弾としてラカイン州の小学校5校へ図書棚を贈りました。これらの小学校はいずれも同州で実施する小学校建設事業でBAJが過去に建設した学校です。
チャウタンジ―小学校 / ラカイン州 / 児童数125名
チャエタエ小学校 / ラカイン州 / 児童数322名 ※写真正面がBAJ建設の新校舎
ミャンマーの辺境地では、本といってもわら半紙に白黒で印刷されたような読み物しか手に入らないことがほとんど。子どもたちからは、写真やイラストがこんなに多用された図書は見たことがないという声があがりました。
カラフルな絵本に嬉しそうな子どもたち。
みんな読書に夢中です。
けん玉、囲碁など初めて見る日本の遊びは、BAJスタッフがしっかりとレクチャーします。
寄贈の際には、子どもたちと先生・PTAメンバーを対象にファシリテーションを行っています。子どもたちに読書の大切さを伝えると同時に、先生方へは、ミニライブラリーの管理・活用法について話し合ってもらい、使用ルールを決めていきます。
今回寄贈した5校でも学校によって異なる管理方法が決められました。
先生たちとの話し合いの様子
たとえば、5校のうちの1校、チャエトー小学校は、とても小さな村にあり、今回の寄贈式には多くの村人も参加してくれました。この村では、学校の児童だけでなく、大人を含む村人全員に本を読む機会を提供したいという希望から、村人へ無料で図書の貸し出しを行っていくことが決まりました。
一方、チャエタエ小学校では、話し合いの結果、児童以外の村人に図書を貸出す際は、1冊200チャット(約20円)程度の少額のお金を取って貸し出すことになりました。この学校では、貸出によって貯まったお金で新たな図書を購入し、図書棚の本を増やしていく計画のようです。
また、アウクミャットレイ小学校では、図書の紛失などを防ぐため、図書は学校内のみで閲覧することになりました。先生たちが毎日交代で図書館員として本を管理していく予定です。
このように学校によって図書棚の管理方法はさまざまです。今後、上手く活用されている学校の事例をグッドプラクティスとして、新たに寄贈する学校に事例紹介も行っていきたいと考えています。
一人でも多くの子どもたちに図書を届けるため、今後も皆さまの応援お願いいたします。
●Book&Toy事業は、おもちゃ美術館および皆さまからのご支援で行っています。
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