報告者:ヤンゴン事務所 森
先日の「その1」に続いて、2001年12月にマンダレー地域ニャンウー郡X村に井戸が完成した村の、今の状況についてのご報告です。
2014年に村の電化のため大きな金額が支出されていました。村の中にあるパゴダ基金、青年基金、電気基金と合計して200万円相当使って村内電化を実現しました。しかも、水管理委員会から借り上げた資金は、電気代回収費用で既に返済されています。
<電化>
世界銀行の支援があり、全世帯にパイプライン敷設が可能になりました。世界銀行は、村からも資金提供がないと支援実施にいたらないので、井戸水売り上積立金があったからこそ支援が実現しました。現在、村の人たちは、家で蛇口ひねったら水にアクセスできるようなりました。
<蛇口>
村の人たちは、水汲みにもう時間と労力をかけなくてもよくなったのです。機会費用は、ますます減少しています。しかし、村の中に十分な仕事があるわけではありませんので、現金収入向上に直結するというわけではありません。日雇い労働で稼ぐ以外に、薪や肥料のための牛糞を拾ったり、牛のエサとなる草を集めたり、食料となる草や実を集めて少しでも家計が楽になるよう働いています。家計収入増は、家屋の改築、土地や家畜の購入、小規模ビジネス開始のための原資、子どもの教育費、日用品の購入などに支出されています。
<やぎ集約飼育>
この間、村の人口や家畜も増えていました。しかし雄牛の頭数は減っていました。雄牛は水運搬に使用されますので、その必要性が減ったのが理由と考えられます。
この村は、幹線道路から1キロほど内陸にはいったところに位置するアクセスの良い村、井戸の水量や水質は良好というのもグッドプラクティスの要因とも考えられます。また、責任あるリーダーを中心に、井戸を長期間にわたってうまく維持管理してきたことも大きいと思います。
この村は、現在、あと1本の井戸が掘れる分のお金を貯めることに成功しました。この地域の井戸は20年~30年といわれていますので、とても速いペースで財務面からみた持続可能を見出したことになります。
この要因について、更に分析を進めて井戸経営がうまくできていない村への助けになればと思っています。
●中央乾燥地域の水供給事業は、日本NGO支援無償資金、ワタベウェディング株式会社、皆様のご支援で実施しました。
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