報告:ヤンゴン事務所 森
BAJでは、これまで多くの井戸掘削建設事業を行い、村落住民の水不足に貢献してきました。2016年までにミャンマーで掘削建設した井戸は536本、修繕した井戸は465本にのぼります。
その効果について、少しでも多くの人たちに知ってほしく、先日、学会でその成果を発表してきました。
<学会入口>
その内容の一部を抜粋してみなさまにもお知らせしたいと思います。
2001年12月にマンダレー地域ニャンウー郡X村に井戸が完成しました。
それまでは、村の水源は村にあるため池。
ため池が枯れると往復2時間かけて水汲みしていました。
不定期に川からくみ上げた水がパイプラインで供給されることもありましたが、
電力が足りず不定期に水が配給される状況でした。
村の中に井戸ができたため、水汲みが村の中で10分ほどできるようなりました。
これまで、水汲みにかける時間は、機会費用として大きなコストがかかっていました。
それが、短期間で水汲みが終えられるので、生産労働にいそしむことができるようになったのです。
機会費用は大きく減少しました。
村には水管理委員会が設置されて村人自身で井戸を運営してきたのですが、
村に住む一人のビジネスマンが、セクレタリーとエンジン操作者と会計係を兼務して、献身的に会をまとめてきました。
会計帳簿は井戸を使用しはじめてから一日も欠かさずつけられています。
2014年までを集計すると約380万円相当のお金が井戸で生み出されています。
この地域の人たちは、水運搬に多大な時間と労力をかけてきましたので、井戸水を買うことに抵抗がありません。
うち200万円は既に支出されています。
内訳は、10%が井戸修繕関連に使用されています。
残りは、教育や社会開発の目的に使用されていました。
<学校校舎>
<学校教室>
村は、自助努力で学校をたてなければならず、井戸水売り上げ積立から土地を購入し教室やトイレが作られました。
現在では、村の中で中学課程まで学ぶことができるようになっていました。
その他にも、クリニックのための薬代や植林、井戸完成10周年記念式典費用、
日本の東日本大震災のお見舞金にも使用されていました。
まだまだ、村には変化がありました。それについては、次週アップする、その2にてご報告いたします。
●中央乾燥地域の水供給事業は、日本NGO支援無償資金、ワタベウェディング株式会社、皆様のご支援で実施しました。
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