報告者:東京事務所 新石
新型コロナのパンデミックにより各国をまたぐ移動の制限が長びく中、BAJが海外で行っている活動を身近に感じてもらう絶好の機会である「スタディ・ツアー」の実施が難しくなっています。昨年も3つの現場訪問がキャンセルになりました。このような状況がいつまで続くか分かりません。現状でもできることを模索していくために、6月19日、BAJのベトナムでの活動拠点であるフエ事務所の契約農家さんと日本とを結ぶオンライン・スタディ・ツアーのテスト版を実施しました。
今回ははじめての試みということもあって、日本からはこれまでベトナムの活動に縁のあったボランティアの方たち、とくにコロナの影響で修学旅行などのハードルが上がっている高校生や大学生を中心にお声掛けしてテストツアーの参加にご協力いただきました。また、企画中から大学生インターン(千葉さん)に関わっていただきました。
オンラインツアーのタイトルは「Online Tour “Agritourism” in Hue」です。
日本語では『世界遺産の町フエの持続可能なアグリツーリズムを応援するツアー(テスト版)』です(少し長いですが)。
BAJの活動に参加している農家メンバーの畑の様子をライブ配信で伝え、農家さんへのインタビューも行うことで、日本にいながらフエの小規模農家訪問の旅の気分を味わってもらう内容としました。
今回のオンラインツアーは、以下の3つの構成で行いました。
(1)BAJ活動の概要
(2)フエの町の紹介
(3)フエの小農家さん訪問とインタビュー
なお、オンラインツアーはZOOMで行いましたが、ZOOMのチャット機能も利用して、東京の参加者の皆さんがその時に思った感想や質問を自由に記載してもらうことにしました。
フエの町の紹介の様子
今回の目玉は、「フエの小農家さん訪問とインタビュー」で、フエの農家メンバーであるTuyetさん、Tapさんご夫妻にご協力いただきました。
まずはあらかじめ準備した映像を用いて、ご夫妻の所有する有機栽培の畑や豚小屋の様子と、豚の糞尿をバイオダイジェスターを用いて燃料化している様子などを紹介しました。
つづいて、ライブ配信で、栽培してい野菜の種類、収穫時期を迎えている野菜、日本では見かけない様々な野菜の名前や特徴などについて紹介してもらいました。
参加者の皆さんからも、チャットからあるいは直接フエの農家さんへの質問が続きました。
「今何時ですか?、気候はどうですか?」
「日本のイメージはどうですか?」
「Tapさんご夫妻をはじめフエの農家の方は普段どんなご飯を食べているのですか?」
「今日収穫した野菜でどんな料理を作りますか?」
「BAJと活動に参加して何が変わりましたか?」
「フエの農村部ではガスを調理に使用するのは一般的ですか?それとも、バイオガスダイジェスターがある家庭のみですか?」
なお、今回のフエと東京の間のやりとりは、日本語、英語、ベトナム語の3か国が飛び交う中で行われたこともあって、時間がかかる一方で、臨場感ある雰囲気になりました。
あらかじめフエ事務所が作成した映像の中で、有機栽培の畑について答えるTuyetさん
同じくバイオガスダイジェスターから取れたガスの利用方法について答えるTuyetさん
ライブ配信で収穫物の質問をしているフエのスタッフとその説明をしているTapさん
同じくライブ配信で東京の参加者の皆さんからの質問に答えるTuyetさんとTapさん
今回のオンラインテストツアーの参加にご協力いただいた皆さんからは、以下のような感想が寄せられました。
「皆さんが、熱心に活動に取り組んでいる様子がよくわかった。実際にお会いできればと思います。お元気で。」
「沢山質問に答えていただけて嬉しかったです! また今度は現地に行って直接お話ができたら嬉しいなと思ってます!」
「農家さんは、農場の詳細まで紹介してくださりとても勉強になりました。普段の生活などについてのお話もしてくださり非常に興味深かったです。」
「BAJフエスタッフの方々により、非常に楽しく参加させていただきました! ベトナムの現地の方々の声を直接聞けて貴重な体験でした!」
「ベトナム語は全く分からないので、英語で通訳してくれて、スムーズに場を回してくれて、本当に助かりました。ありがとうございました。」
また、一方では「映像に添えたベトナム語から英語への翻訳の流れが速くて読み切れない」、「日本側の音声が時々途切れるのが気になった」といった意見もいただきました。
今後は、皆さんからいただいたご意見や感想を生かして、さらに充実した「BAJの旅」をつくっていければと思います。
また、学生たちだけではなく、会員、まるごとサポーター、輝けアジアの子ども基金サポーター(アジ子サポーター)の方たち向けに、BAJの環境教育活動に参加している子どもたちとの交流オンライン・ツアーなどを実現していきたいと考えています。
●本事業は、皆さまからのご寄付により実施しました。
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